• 英名:Nilotinib Hydrochloride Hydrate
  • 商品名:タシグナカプセル(ノバルティスファーマ株式会社)

薬物動態パラメータ

FAefubCLtotVdB/P ratioCL/FVd/F
(%)(%)(mL/min/kg)(L/kg)
30%以下-0.020.6832.8720

薬物動態的特徴

  • 消失臓器:肝代謝型
  • CL:
  • Vd:
  • タンパク結合:binding sensitive

吸収

  • 絶対的バイオアベイラビリティ:未検討
  • 14C標識体を用いたヒトADME試験からは約30%と推定(承認審査概要 CTD 2.7.1 p.7)
  • 50-400mgの用量範囲では投与量に比例してCmax及びAUCは増加、400-1200mgの範囲では一定であった(承認審査概要 CTD 2.7.1 p.11)

食事の影響

  • 食事によりバイオアベイラビリティは増加(承認審査概要 CTD 2.7.1 p.7)
  • 空腹時又は食事摂取の少なくとも2時間後に投与、投与1時間後は初k時の摂取を避ける必要がある(承認審査概要 CTD 2.7.1 p.7)

性差

  • 母集団薬物動態解析の結果、性別がバイオアベイラビリティの有意な共変量であることが示された(承認審査概要 CTD 2.7.1 p.12)

分布

  • ニロチニブの血漿中蛋白結合は0.02〜100μg/mLの範囲で約98%であり、濃度に依存しなかった(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.10)
  • ニロチニブは血清アルブミン及びα1酸性糖タンパク質に結合し、主結合たんぱく質はα1酸性糖タンパク質であると考えられた(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.10)
  • ニロチニブはp-糖たんぱく質の基質であり、6μMの濃度におけるefflux ratioは3.9-4.1であった。阻害作用も認められIC50は1.7μMであった。(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.11)
  • 血液 / 血漿濃度比は 0.68(インタビューフォーム)

代謝

  • ニロチニブは主にCYP3A4により代謝され、一部CYP2C8も代謝に寄与する(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.10)
  • 母集団薬物動態解析の結果、CYP3A4/5の誘導剤、p-糖たんぱく質の基質及び阻害剤、体重および人種は薬物動態に影響しない事が示された(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.12)
  • 母集団薬物動態解析の結果、血中総ビリルビンがクリアランスの有意な共変量であることが示された(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.12)
    • T-Billが2倍に上昇したとき、クリアランスは7%低下すると推定

排泄

  • 14C標識体を経口投与したとき、投与後168時間まで尿中にニロチニブ及び代謝物由来の放射能は認められなかった(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.11)

母集団薬物動態(PPK)解析

  • F
    • 男性患者は女性患者よりも約 10%低い(IFより)
  • CL
    • T-Bill:基準値上限の 1.5 倍、2 倍及び 2.5 倍に増加するとクリアランスは 14%、26%及び 37%低下(IFより)
    • AST:基準値上限の1.5倍及び2倍に増加するとクリアランスは2%及び4%低下(IFより)

腎障害のある患者

  • 腎機能はニロチニブの薬物動態には大きく影響しない(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.38)

肝機能障害のある患者

  • 肝機能障害によるニロチニブの薬物動態への影響は小さいことから、肝肝機能障害を有する患者における用量調節の必要はない(CTD 2.7.2 臨床薬理の概要 p.38)

参考

論文

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